【1】はじめに:今回の旅の目的とルート紹介
朝晩の空気がひんやりしてくる秋。
ふと「温泉に浸かってゆっくりしたい」と思い立ち、愛媛からフェリーと車を使って“おんせん県”こと大分へ旅に出ることにしました。
今回の目的は、「癒し」と「学び」。
ただ湯に浸かってのんびりするだけではなく、温泉がどのように生まれ、どんな歴史を持ち、地域の人々の暮らしにどんな影響を与えてきたのか――その背景まで感じながら旅をしてみたいと思いました。
大分は日本一の源泉数と湧出量を誇る温泉県。
特に「湯布院」と「別府」は全国的にも有名な温泉地で、それぞれにまったく異なる表情を持っています。
静寂と芸術の街・湯布院では、雄大な由布岳を眺めながらのんびり散歩。
一方で地獄の噴気が立ちのぼる別府・鉄輪(かんなわ)温泉では、温泉のエネルギーと人の暮らしが密接に結びついた“地熱文化”を体感します。
🚗 旅のルート
- 出発地:愛媛県・八幡浜港(フェリー利用)
🕕 6:20発 → 9:00 別府港着(宇和島運輸フェリー)
朝焼けの海を見ながら、ゆったりとした船旅でスタートです。
別府港に到着後、車で約1時間かけて湯布院へ向かいます。 - Day1
湯布院の街歩き&陶芸体験(とうき)
→ 狭霧台・志高湖ドライブ
→ 鉄輪温泉「神和苑」に宿泊 - Day2
別府地獄めぐり
→ 明礬温泉・地獄蒸しプリン
→ 🛳 16:45 別府港発 → 19:30 八幡浜港着
🏞 Day 1:別府観光 → 鉄輪温泉「神和苑」泊
時間 | 場所/内容 | 詳細説明 |
---|---|---|
10:00 | 八幡浜港 出発(フェリー) | 宇和島運輸フェリーにて別府港へ。約2時間半の船旅。 |
12:30 | 別府港 着 | 到着後、鉄輪温泉エリアへ移動(車で約15分)。 |
13:00〜14:00 | 昼食:別府グルメ | 🥢おすすめ: ・地獄蒸し工房 鉄輪(蒸し釜体験&ランチ) ・東洋軒(とり天発祥の老舗) |
14:00〜16:00 | 別府地獄めぐり | 海地獄・鬼石坊主地獄・かまど・白池などを中心に約2時間散策。 別府地獄めぐり公式サイト |
16:00 | 鉄輪温泉「神和苑」チェックイン | 庭園と能舞台を備えた老舗旅館。源泉かけ流しの温泉と美術展示が魅力。 |
18:00〜夜 | 夕食・館内散策 | 温泉入浴、庭園ライトアップ鑑賞などでゆったり過ごす。 |

由布院旅を盛り上げる、おすすめの観光スポット5選 - みちくさガイド
山々に囲まれた盆地にある由布院温泉。モダンで洗練された温泉地ながらも、少し足を延ばせばのどかな田園風景が広がり、風光明媚な情景も由布院らしさを形作る重要なエッセンスです。そんな豊かな自然も楽しめる、由布院を代表する観光スポットを5つご紹介。...
🏔 Day 2:湯布院観光 → 帰路
時間 | 場所/内容 | 詳細説明 |
---|---|---|
8:30 | チェックアウト&出発 | 別府→湯布院へ(車で約1時間) |
9:30〜11:00 | 湯布院散策(湯の坪街道・金鱗湖) | 食べ歩きやカフェ巡りに最適。 湯けむりと由布岳が望める朝の時間帯がおすすめ。 |
11:00〜13:00 | 陶芸体験「とうき」 | 手びねりやろくろ体験ができる人気工房。 体験時間:約90分。 |
13:00〜14:30 | 昼食&ドライブ(狭霧台・志高湖) | 由布岳を望む絶景ドライブコース。紅葉シーズンは特におすすめ。 |
14:30〜15:30 | 別府港へ移動 | 車で約1時間。途中、明礬温泉や足湯立ち寄りも可能。 |
16:45 | 🛳 別府港 発(フェリー) | 八幡浜港へ出発(約2時間半)。 |
19:30 | 八幡浜港 着 | 旅の終了。 |
🍽 湯布院・別府ランチ候補まとめ
店名 | 特徴・おすすめメニュー | 引用元 |
---|---|---|
地獄蒸し工房 鉄輪 | 温泉蒸気を利用した地熱クッキング。観光と一緒に体験できる。 | 公式サイト |
レストラン東洋軒 | “とり天発祥の店”。中華料理ベースの老舗。 | とり天発祥の店 東洋軒 |
グリルみつば | 洋食×とり天。別府駅近くでアクセス良好。 | たびらい大分特集 |
とよ常 本店 | 特上天丼が有名。ボリューム満点のランチに。 | エディット大分 |
⚠️注意点:どのお店も昼時は混みやすいので、早め入店または混雑を避ける時間帯を狙うと安心です。
時間が空いた時の選択肢 🎨
スポット | 内容・見どころ | 参考情報・引用元 |
---|---|---|
別府市美術館 | 近現代の絵画・彫刻・書道・竹工芸などを展示。企画展示あり。開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで) 美術手帖+3JRおでかけネット+3city.beppu.oita.jp+3 | じゃらんガイド じゃらん |
COMICO ART MUSEUM YUFUIN | 湯布院にある現代美術館。建築も見所。事前予約制。開館 9:30-17:00(入館は16:00まで) Discover Japan | 日本の魅力、再発見 ディスカバー・ジャパン+3COMICO ART MUSEUM+3じゃらん+3 | 館公式サイト COMICO ART MUSEUM |
別府アートミュージアム | 有名人・郷土画家を中心とした展示。移転・リニューアルの実績あり。 じゃらん | JALAN 美術館ランキング じゃらん |
【2】湯布院編:山とアートと温泉の静かな街
■ 由布岳の成り立ちと“豊後富士”の呼び名
- 標高1,583 m の双耳峰(東峰・西峰の2つの頂)を持つ山で、由布院盆地からの美しい山容が“富士山”を彷彿とさせることから「豊後富士」と呼ばれてきた。 おんせん県大分県の観光情報+2九州旅ネット+2
- 地質的には鐘状火山(トロイデ型火山)で、安山岩質の溶岩で成り立っている。 おおいた遺産+2コトバンク+2
- 古くは『豊後風土記』に「柚富峰(ゆふのみね)」として記され、『万葉集』にも歌が詠まれるなど、古代から信仰・風景の対象になっていた。 おおいた遺産+2ヤマケイオンライン+2
- 特に朝霧など気温差がある朝の時間帯には、由布岳の姿が霧に浮かび上がり、写真映えする風景になることが多い。 YUFUINFO|湯布院・庄内・挾間公式旅ガイド+2My Roadshow – 登山ブログ+2
■ 湯の坪街道・金鱗湖・カフェ・ギャラリー紹介
- 湯の坪街道:由布院駅前を起点とし約1.5 kmにわたって続く商業通り。約70店ほどの雑貨屋、スイーツ店、カフェが軒を連ね、食べ歩き・お土産探しに適している。 ゆこゆこ+2TABI CHANNEL+2
- 金鱗湖(きんりんこ):湖底から温泉湧出と地下水が混ざる構造。水温と外気温の差で朝霧が発生することもあり、それが名物景観となっている。 ウィキペディア+2トレンジョイ!+2
- カフェ・ギャラリー:湯の坪街道周辺や散策路沿いには、木造古民家改装のカフェ、現代アート作品を展示するギャラリーなどが点在。アートと自然・温泉が融合した空間を感じられる。 tabirai+2「HALMEK up」50代からの女性の毎日が面白くなるサイト+2
■ 湯布院が「女性に人気」の理由(観光地化と癒しの両立)
- 雑貨・スイーツ・カフェ・ギャラリーといった街歩き要素が豊かで、ちょっと立ち寄れるこだわりの店が多いため、「写真に撮りたい風景」「立ち止まりたくなる空間」が多い。 「HALMEK up」50代からの女性の毎日が面白くなるサイト+2ゆこゆこ+2
- 街全体が程よい規模でまとまっているため、移動が無理なく、ゆったり散策できる。大きな温泉街とは違う“静けさ”があるという口コミも目立つ。 Yahoo!知恵袋+2「HALMEK up」50代からの女性の毎日が面白くなるサイト+2
- 温泉+自然+アートの三要素が揃っていることで、癒しを求める旅行者層にとって魅力度が高い。 note(ノート)+2tabirai+2
■ 湯布院温泉の泉質・効能メモ
- 主な泉質は 単純温泉。 yufuin-santokan.com+3一般社団法人 日本温泉協会 ~温泉名人~+3由布院温泉旅館組合+3
- 一部、アルカリ性単純泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉なども混合している施設もある。 由布院温泉旅館組合+2YUFUINFO|湯布院・庄内・挾間公式旅ガイド+2
- 適応症としては、神経痛・筋肉痛・関節痛・慢性消化器病・疲労回復・冷え性など。さらに、自律神経不安定症・不眠症・うつ状態への効果も併記されている。 一般社団法人 日本温泉協会 ~温泉名人~+2由布院温泉旅館組合+2
- 単純温泉は刺激が少ない性質から、長時間入っても湯疲れしにくいとされる。 由布院温泉旅館組合+1
- 美肌効果をうたう宿・施設もあり、メタケイ酸など保湿成分が注目されている。 楽天トラベル+1
■ 【豆知識】湯布院 vs 由布院、どっちが正しい?(地名の歴史)
- 公式な温泉地名としては「由布院温泉」が正しい。ウィキペディア+2由布院温泉旅館組合+2
- ただし、町名としては1955年の合併後に「湯布院町」となったため、観光案内等では「湯布院」と表記されることが多い。ウィキペディア+2Yahoo!知恵袋+2
- ウィキペディアにも「正式名称は由布院温泉/“湯布院”は町名由来で通称として定着した」との記述がある。ウィキペディア
【3】鉄輪温泉編:一遍上人と“地獄蒸し”の町
■ 神和苑の由緒(庭園と美術館を持つ宿泊施設)
(※「神和苑」の公式資料は検索では見つからなかったため、ここでは一般的な施設タイプに基づく補足を含みます)
- 鉄輪温泉街の中でも庭園を配し、宿泊者向けに静かな環境を提供する宿泊施設。
- 美術品展示やギャラリー機能を持つ宿もあり、温泉とアートを融合した滞在を売りにしている宿が点在。
- 宿泊施設の多くは源泉かけ流しをウリにしており、温泉体験を中心に据えた構成になっているケースが多い。
■ 鉄輪の町並みと湯けむり風景
- 鉄輪温泉は、源泉の蒸気がそのまま町中に昇る“湯けむり”景観が特徴で、それが町のシンボルとも言える。大分県ホームページ+3環境省+3食楽web+3
- 鉄輪・明礬の町並みは「別府の湯けむり・温泉地景観」として文化的景観に指定されている。環境省
- 古い石畳、小道、赤茶けた建物、共同浴場の佇まいなどが残る風情があり、散策すると温泉街の「湯治場」時代の名残を感じられる。
■ 「地獄蒸し」体験の仕組みと地熱利用文化
- 鉄輪では地熱で加熱された蒸気を使って食材を蒸す「地獄蒸し」が江戸時代より続く伝統調理法。オオイタカテテ+5オレンジページ+5地獄蒸し工房 鉄輪+5
- 調理の手順は比較的シンプル:食材をザルに並べ、専用の釜(地獄釜)にセットし、蓋をして蒸気を供給する。蒸気は自然湧出または地熱源から供給される。Sallygarden+2オオイタカテテ+2
- 食材の旨味がギュッと凝縮され、野菜は甘く、魚・肉も素材の味が引き立つとされる。オレンジページ+2おんせん県大分県の観光情報+2
- 近年では低温スチーム・50℃洗いなどの調理技術も導入され、より繊細な蒸し方が試みられている。おんせん県大分県の観光情報
- こうした調理法は「温泉を観るだけではなく“使う”」文化の象徴とも言え、地熱資源の生活応用例としても興味深い。
■ 【歴史】一遍上人が開いたとされる温泉の伝説
- 鎌倉時代には、時宗の僧・一遍上人が念仏行脚の途中で鉄輪温泉を開いた、あるいは温泉の効能を広めたという伝承がある(伝説的要素が強い)。
- このような伝承は、温泉地としての宗教的・文化的な付加価値を観光資源化する際によく用いられるが、実証資料は限定的。
- 鉄輪には古くから湯治場として利用されていた記録が残っており、共同浴場・蒸し湯の記録などがその裏付けとなっている。
■ 「むし湯」文化の健康効果(温熱療法の観点から)
- 「むし湯」とは、蒸気浴・蒸し風呂的な入浴形態で、温泉蒸気を使った小部屋・穴風呂で体を蒸す方式。
- 温熱作用により血行促進・発汗促進が期待され、湯温刺激によるリラックス効果もあるとされている。
- 古い湯治文化では、むし湯が冷え性・関節痛改善・疲労回復などに利用された例もあり、温泉だけでなく蒸気療法の一種と見ることができる。
- 鉄輪温泉内にも、むし湯を体験できる施設や地熱観光施設が点在している。
【4】別府編:地獄めぐりと温泉都市の多様性
■ 別府八湯の紹介(海・鉄輪・明礬・亀川など)
- 「別府八湯(べっぷはっとう)」とは、別府市内の温泉地8か所(浜脇、別府、観海寺、堀田、鉄輪、明礬、柴石、亀川)を指す体系。 大分県ホームページ+3ウィキペディア+3おおいた遺産+3
- これらの地域ごとに泉質・湧出量・雰囲気が異なり、湯めぐり(複数の湯を巡ること)が楽しみの一つ。note(ノート)+2おおいた遺産+2
- 別府温泉全体で源泉数・湧出量ともに日本一を誇る。 ウィキペディア+2おおいた遺産+2
■ 地獄めぐりの由来(古代の風土記にも登場)
- 「地獄めぐり」とは、高温の熱泥・熱湯・蒸気噴出などを「地獄」に見立てて巡る観光コース。
- 古代の文献『豊後国風土記』などには、温泉地・高温噴出地が「熱湯地獄」などとして記録されており、信仰や恐れの対象であった可能性がある。 おおいた遺産+3ウィキペディア+3ウィキペディア+3
- 地獄めぐりは近現代に観光化されたもので、明治以降、複数の「地獄」をセット化して見学コースとして整備された。
■ 「温泉都市」の構造:観光 × 産業(地熱発電・明礬生産など)
- 別府の豊富な地熱資源は、観光用途だけでなく 地熱発電 にも使われている。特に1950年代以降の地熱開発が知られており、別府市近辺でも蒸気を使った発電所が稼働している。環境省+3大分県ホームページ+3chikyu.ac.jp+3
- また、明礬温泉地域では “湯の花(硫黄・鉱物成分を濃縮した鉱産物)” の生産が古くから行われており、湯治薬・入浴剤素材として流通。⮚この生産技術は伝統的な方法が長年維持され、文化的価値も認められている。fpcj.jp+3fpcj.jp+3大分県ホームページ+3
- 温泉泥を美容用途に使うなど、温泉資源の二次利用も進んでおり、温泉都市としての“産業多様性”を備えている。井上輝美建築事務所+都市開発研究所+1
■ 「とり天」「地獄蒸しプリン」などご当地グルメ紹介
- とり天:大分県を代表する郷土料理。鶏肉を天ぷら風に揚げ、ポン酢やタレで食べるスタイル。別府・大分地域で広く親しまれている。
- 地獄蒸しプリン:鉄輪・別府周辺で、地獄蒸しを応用したスイーツ。蒸気でプリンをじっくり加熱することで、コクと滑らかさを引き出す。
- これらは“温泉を使った調理・スイーツ”であり、温泉地ならではの食の体験となる。
■ 夜の湯けむり展望スポット(湯けむり展望台など)
- 別府・鉄輪地域には高台や展望場所が複数あり、夜間に湯けむりが立ち上る風景を俯瞰できるスポットがある。湯煙が街灯と混ざる幻想的な光景が人気。
- 「湯けむり展望台」など名称の展望スポットが多く紹介されており、夜景撮影スポットとしてガイドにも載っている。
- 夜は視界がクリアになる時間帯を狙うと、湯けむりが空に溶けるような風景を捉えやすい。
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